ホーム > マッチラベル パラダイム

マッチラベル パラダイム  新刊

燐票商標様式美

マッチラベル パラダイム

明治~昭和初期の商標マッチラベル画像を希少度評価付きで1544点収録!珍品票も多数。蒐集家、デザイナー、庶民文化研究家必読!

著者 加藤 豊
ジャンル 作品集・美術・工芸 > 美術・工芸
出版年月日 2011/05/25
ISBN 9784839351212
判型・ページ数 A4変・224ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり
ネット書店を選択
 

目次

凡例 ────────────002
序文 ────────────003
目次 ────────────004
一章:布引帯形 ───────006
二章:双柱形/双枠形 ────038
三章:小判形/外周枠形 ───058
四章:相似形 ────────090
五章:字紋図 ────────108
六章:欧字表記 ───────148
七章:メダル付記 ──────190
マッチ商標用語 ───────206
マッチの呼称変遷 ──────212
マッチ名の方言 ───────213
マッチ年表 ─────────214
安全マッチの構造 ──────221
あとがき ──────────222
マッチ関連URL ───────223

このページのトップへ

内容説明

明治期に確立した、西洋に倣った画工の技、和洋混交のマッチラベル図案を、デザインのパターンごとに分け収録。マッチラベルの痛快無比さ、豊富な図柄が堪能でき、グラフィック図像とともに文化の一端も垣間みれる。

「マッチラベル」を、商業デザインの嚆矢ともなるルーツ的位置づけとして捉え、デザイン書、研究書としても興味深い1冊。

 

 

マッチの国産化は、明治8年、清水誠が黄燐マッチを試作し、翌9年に安全マッチを製造販売するために東京本所に燐寸工場「新燧社」を興したのが始まり。その後、国内はもとより、中国、東南アジア、オーストラリア、アメリカなどの海外へも輸出され、明治後期から大正にかけて外貨を稼ぐ輸出の花形産業となった。
しかし、戦争に負けたことで輸出マッチは販路を失い、生産ダウンに追い込まれた民間のマッチ産業は、国内向け広告マッチの販促強化に方向転換を計った。企業体が宣伝のために無料配布する「広告マッチ」は、庶民にも喜ばれ、昭和40年代まではマッチ業界も活況を呈した。


『マッチラベル パラダイム』と題した本書には、日本屈指のマッチラベルコレクター、研究者である加藤豊氏の6万余種のコレクションの中から厳選された、明治から昭和初期までに登録された膨大な数の国産マッチ商標登録(マッチラベル意匠)が1,540点、スウェーデン票が4点収録されている。
初の国産マッチの登録商標や、滅多にお目にかかれない珍品票まで、あらゆる商標マッチラベルが、希少度評価(★印の数で示されている)付きで掲載され、輸出先の嗜好を盛り込みながら当時の日本の絵師達が描いた「和洋混交」の不可思議な「疑洋風」商標からは、バイタリティ溢れるマッチサイズの技と遊び心が伝わってくる。
「パラダイム」の語には、その時代の物の見方、捉え方や価値観、規範、模範となるもの、という意味が含まれている。日本では鎖国時代から明治維新へと大きなパラダイムシフトが起こり、西洋スタイルをふんだんに取り入れた和洋混交様式が新たなパラダイムとして確立されていった。
本書に収録されたマッチラベルを総観することで、そのパラダイムシフトの大きなうねり、エネルギーを感じることが出来る。また、巻末にはマッチに関わる出来事を
充実した内容で記した年表が付いており、コレクターならずとも、歴史研究家、庶民文化研究家にも興味深い内容となっている。

本書のもう一つの特徴に図版の画像処理と分類方法がある。
従来は華やかな側面も持っているマッチラベル故に、描かれている絵柄だけに焦点を合わせた分類法が常套手段だったが、本書ではあえてモノトーンモードへの変換を試み、マッチラベルを版下図版となるような線画調にすることで、西洋から多くを倣った和洋混交の「擬洋風商標」図版を「装飾様式美につながる新鮮なグラフィック情報」として展開できるように試みた。
布引帯形、双柱形/双枠形、小判形/外周枠形、相似形、字紋図、欧字表記、メダル付記など、パターンごとに分類し、類似したデザインを並べることで、その時々の流行や、模倣の様子、記号化された組み合わせパターンなど、原色を伴ったカラフルなマッチラベルでは情報量が多くて見えてこなかった「グラフィックの核となる情報」が本書では明快に理解できる。
もちろん、本来の持ち味である印刷技術を駆使した華やかなマッチラベル図版も収録しているので、本書ではその比較も楽しめる。
先人が生み出した圧倒的な存在感を放つ「装飾パターン」は、素材集的要素が盛りだくさんで、グラフィックからテキスタイル、インテリアまで、資料的価値が高く、活用度も高い。

このページのトップへ