目次
Ⅰ 十句観音経
1、十句観音経
2、十句観音経訓読
3、十句観音経語訳
4、写経「十句観音経」
Ⅱ 十句観音経の精習
Ⅲ 観音経
1、観音経とは
2、妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五・偈頌
3、写経「観音経」
Ⅳ 写経の文字と書
1、写経と書体
2、写経の書の特徴
3、行書の学習
Ⅴ 観音経の楷書と行書
内容説明
基礎を学ぶ上の格好のお手本である、47文字の短いお経「十句観音経」からはじめる写経入門。
毛筆書写から遠ざかってしまった今日の人々にとって、写経をはじめるにはまず、毛筆による書写の手習いが必須の条件となります。書写の基本を身につける過程で、写経をする上で、最も大切な「精神を集中させ、清浄心を養う」力もついてくるという考えのもと、本書は編纂されています。
写経といえば、262文字の短いお経「般若心経」が一般的ですが、本書は「般若心経」と並び日本人に最も親しまれている観音さまのお経、「観音経」を写経するための入門書です。
「般若心経」は、600巻もある「大般若経」のエッセンスともいえる262文字の短いお経ですが、「十句観音経」は、観音経の神髄を十句四行にまとめた、最も短いお経です。観音菩薩が中国の孫敬徳という人に授けたお経といわれ、日本では、江戸時代、不治の病になった人がこのお経を千回唱えたところ、奇跡的に病が治ったことから、以後「延命十句観音経」と呼ばれています。
「十句観音経」は47文字の短いお経ですが、同じ文字が繰り返されているので、使われている文字は僅か27文字です。しかし、この27文字は画数の少ない文字から画数の多い文字まで、また字形も多様で、漢字の用筆法や字形の取り方を学ぶ上で格好の教材です。本書では図解で字形の急所、用筆法や運筆の要点を詳しく解説していますので、この「十句観音経」を精習することで、あらゆる写経の書写力の基本を身につけることができます。
短いお経なので、初心者でも集中力を切らすことなく、繰り返し書いて、手で覚えるまで精習することができるでしょう。
「十句観音経」で写経の基本を身につけたら、「観音経」の写経に挑戦します。本書は「観音経」に楷書と行書、二書体の書写手本を掲載しました。楷書で書くのが正式とされる写経ですが、行書や草書で書かれた写経の名跡も存在します。また、行書をマスターすることで、楷書にもいっそう美しく磨きがかかることが期待できます。
写経を通して書を学び、くり返し手が覚えるまで一字一字文字を精習することによって自身の心の修養を行う、格好の写経、書道入門書です。
1994年刊行「観音経写経手本」の改題新版。



