目次
毛細管現象とは
2・墨汁の構成と性質
(1)墨汁の構成
(2)墨汁の濃度
(3)墨汁はコロイドである
3・書道用紙の構造
4・書道用紙におけるにじみのメカニズム
(1)にじみのメカニズム
(2)水にじみの現象
(3)膠(にかわ)濃度はにじみをどう変えるのか
(4)長時間浸漬実験
(5)密閉浸漬実験
(6)滴下法によるにじみ
(7)にじみの黒粒子はどこについているのか
(8)にじみの先端の形状
(9)紙における水にじみの高さ
5・紙のにじみ止め
内容説明
墨のにじみ方は墨の濃さによって違うが、その美しさは用紙によって決定的に違う。
墨のにじみの違いへの疑問を、電子顕微鏡や様々な実験から得られた検証をもとに「にじみのメカニズム」として解明した、書道用紙やにじみを理解するために必読の書。
「墨のにじみ」は書道・水墨画作品の表現の一つであるが、にじみのメカニズムにふれた文献は少ない。
それは、「墨のにじみ」の現象が研究対象として、墨の知識、書道用紙の知識、そしてなによりも毛細管現象というような化学分野の知識も必要になるという、問題が多岐にわたるという背景があっての事かもしれない。
著者は、墨の研究を通し、画仙紙での淡墨のにじみ(墨のにじみのまわりに出来る「水にじみ」)に興味を持った。
―なぜ、そのような現象が起きるのかー 墨や硯の研究をするなかで、その現象を説明できる「考え」が浮かびあがった著者は、電子顕微鏡写真や実験の検証結果をもとにその考察を証明していく。
本書では、著者の考えを述べるにあたり、あらかじめ「にじみ」理解のために知っておきたい、毛細管現象、墨汁の性状、紙の構造を説明し、4章の「書道用紙におけるにじみのメカニズム」にてその実証をおこなう。
「にじみのメカニズム」に科学の目で迫った本書が、今後の文宝四宝研究に与える影響は計り知れない。



